排出量取引

排出量取引について

排出量取引は京都議定書によって取りきめられた京都メカニズムのうちのひとつです。
国ごとに温室効果ガスの排出枠を定め、排出枠に対する温室効果ガスの削減量に応じて発行される炭素クレジットを、 排出枠を越えて排出してしまった国や企業と取引する制度のことを言います。

排出量取引では4種類ある炭素クレジットを取引し、炭素クレジットの受け取りの際には対価として代金を支払うことになります。 これにより温室効果ガス削減が難しい国は少ないコストで削減が出来ることになり、削減が容易な国は対価を求めて大量の削減が望めるという、 2つの効果が期待できます。

排出量取引は、排出権取引、排出許可証取引、排出証取引などと呼ばれることもありますが、厳密にいえば、「排出権取引」と「排出量取引」は 別のものであり、「排出権取引」は国内での取引をいい、「排出量取引」は国際間での取引を意味します。
排出量取引には大きく分けて以下の2つの種類がありますがEUが採用していることもあり、キャップ・アンド・トレード型が一般的のようです。

キャップ・アンド・トレード

キャップ・アンド・トレードとは、温室効果ガスの総排出量をあらかじめ設定したうえで、 国や企業に排出枠を配分し、それぞれ割り当てられた排出枠の一部を取引するというものです。

最初に排出枠を割り当てられるわけですが割り当て方には2つの方法があります。 そのうちの一つ「グランドファザリング」は過去の排出実績をもとに、排出枠を交付するやり方です。 もう一つは「オークション」で、これは政府が排出枠を公開入札などで販売します。

「グランドファザリング」の長所は最初の排出枠獲得のためのコストがかからないことで、過去の実績から交付されるため獲得できる排出枠を 予想しやすいという利点もあります。短所としては過去の排出量を把握するのための行政コストがかかるということです。
また、予想された排出量と実際の排出量に差が出てくることもあります。この場合、CO2の取引制度がない場合であれば、 それぞれの場所で自力に削減するしかありません。

「オークション」では公平性、透明性が確保できるという長所がありますが、最初の排出枠獲得のためにコストがかかること、 どの程度排出枠を確保できるか予想が困難であることといった短所もあります。
グランドファザリングもオークションも組み合わせて使うことでそれぞれの長所を活かすことが出来ます。

ベースライン・アンド・クレジット

キャップアンドトレードの他のもう一つがベースライン・アンド・クレジット方式です。
ベースライン・アンド・クレジットは、国や企業があるCO2排出量削減事業を実施した場合に、その事業が行われなかった場合に排出したと 予想される排出量との差額分をクレジットとして認定し、取引するという方法です。