EUと日本の排出量取引

国際間な排出量取引について

現在、世界的な排出量取引はまだ本格的には行われていない状態ですが、EUでは、EU域内での排出量取引制度が2005年1月より始動しています。 約12,000もの発電所、製鉄所、石油精製施設をこの制度の対象とし、欧州委員会の承認を得た上で対象施設に排出枠を交付しています。

CO2取引市場では、取引が始まった当初は7ユーロ程度で取引価格が推移していましたが、2005年6月頃からは20ユーロを超える水準で推移、 その後、割り当てられた排出量が過剰であったことが明らかになってからは一時急落しました。
EU内ではこのように本格的な取引が続いています。

日本の排出量取引

日本国内では2005年度より、自主参加型国内排出量取引制度が導入されていますが、EU諸国のようなキャップ・アンド・トレードの方式ではなく、 自主的にCO2削減に取り組む企業などに一定量の排出削減約束と引換えに、CO2排出量削減のための設備の整備に対する補助金を交付し、 排出量削減約束達成のために排出量を取引できるようにするという制度です。
すでに国内の企業が海外でたくさんのCO2削減事業を実施し、 排出権受け取り承認取得をしています。また投資資金の一部が排出権の購入に充当され、日本国政府に無償提供される 排出権先物価格連動債券を証券会社が公募で販売を始めました。

EUは国際的な市場取引(キャップ・アンド・トレード方式)への日本のオブザーバー参加を求める方針を決めており、 「自主参加型」の市場しかない日本が参加するかが注目を集めています。
参加することになれば、各企業に義務的に削減が求められることと なるので導入に対しては経済界を中心に根強い反対論があります。参加するかどうかが今後の日本の方向性を決定することになりそうです。

まだ諸問題を抱えている日本ですが、目標達成のためには取引は必要です。先日、日本政府が二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスを排出 できる権利(排出権)をハンガリー政府から購入する方針を明らかにしました。日本が排出権を政府間で直接買うのは初めてだそうです。
削減目標が高い日本では、今後も様々な国際間の排出量取引をし、国内の市場を安定をさせる必要があります。